<MIX詳細解説>【ブレンド・S OP】ぼなぺてぃーと♡S 3人で歌ってみた ❤︎

MIX詳細解説

MIXでお手伝いさせていただいた歌ってみた投稿作品

「【ブレンド・S OP】ぼなぺてぃーと♡S 3人で歌ってみた ❤︎」について

設定内容やMIX手順の詳細を解説しようと思います。

◆完成作品はこちら◆

Vocal:りんごあむゆきうさぎ一花

MIX解説

※権利上の都合により作業中のオケあり音源をブログに載せることはできません。
 投稿作品よりイメージして頂けると幸いです。

 

今回の完成図としては以下のような感じになりました。

全部で19トラックです。順番にMIX手順から解説していきますね。

 

ラフミックス

まずは素材(オケ、Vocalファイル)をDAWに並べ、大体の音量を整えます。

今回はオケが-6.3、ボーカルデータが-2.1となりました。
大体聞いた感じで理想の音量になるよう調整していきます。

※ボーカルデータは多少音量の上下ができるように少し下げておきます。

ボーカルデータ同士の音量差が大きい場合、一旦仮コンプを入れて小さい録り音を持ち上げます。

ラフミックスを聴きやすくする用途ですのでプリセットでサクッと音量が上がるものを選択します。
私はNative InstrumentのVC76かVC2Aを使っています。

大体の音量が決まったら何度かラフミックスを聴いてイメージを固めておきます。
「〇〇さんのこのあたりが少し小さいかなー」
「ここがもっときれいに揃うとかっこよさそう」

などおおざっぱで大丈夫です。

ボーカル補正

本格的にプラグインを挿して重くなる前に、ボーカルのピッチ補正とタイミング補正をします。

ピッチ補正のポイント

  1. ガイドメロディなどを同時に再生して調整する
  2. 音程はピッチ曲線で調整する
  3. 極力ピッチ曲線の揺らぎを潰さない
  4. ボーカルデータ単体でも聴く
ガイドメロディなどを同時に再生して調整する

ピッチ補正は目視のみでも大体合わせることができるのですが、より綺麗な補正をするためには
ガイドメロディとボーカルを同時再生しながら調整します。

今回の楽曲についてはガイドメロはなかったので、参考曲をリアルタイムに耳コピしてピアノを弾きながら一音一音調整していきました。

音程はピッチ曲線で調整する

以下の補正画面をご覧ください。

波形の真ん中を音程として調整すると結構ピッチに違和感がでます。
私がピッチ補正するときは青枠で囲んだあたりを実音程として調整します。

これは音の出だし(アタック)と音の抜き(リリース)を除外した実音として安定している場所を合わせています。

極力ピッチ曲線の揺らぎを潰さない

ボーカルさんの歌い方の特徴や表情などを極力変化させずにピッチを補正するために、前述のアタック部分やリリース部分を大事にします。

ピッチ補正ソフトではどこまでも音程をまっすぐに変えることが可能ですが、
ボーカルさんそれぞれに味があるというか歌の表情があります。
それらを大事にして合わせるところは合わせますが、合わせずに敢えて残すことも重要です。

ボーカルデータ単体でも聴く

これは注意点なのですが、ガイドメロディと再生だけしていると声の音質部分がちゃんと聴けていないことがあります。
補正ソフトによりさまざまですが、Melodyneでは低音ほど違和感のある音になりやすく2~3音前後の補正から音質に違和感を感じることが多くなります。

その場合はオケに混ざって消える違和感か確認してみましょう。
どうしても違和感が出てしまう場合はその場所は素直にリテイクをお願いしましょう。

高価なピッチ補正ソフトを使用していてもどうしても難しいこともあるのです。

タイミング補正のポイント

今回はボーカル3人での歌ってみたとなりますので以下のことに注意してみました。

  1. 人に合わせる
  2. 合わせすぎない
人に合わせる

タイミング補正をするうえで気を付けたいことは、グリッド基準にしないということです。

どういうことかというと、補正ソフトなどの小説や拍の線のことですね。
これを基準にしてしまうとカチっとしすぎてしまいます。

タイミング補正をするときはラフミックスを聴いたうえでリズムの安定感が良いボーカルさんを基準に合わせていくと音楽的な補正として良い結果になりやすいです。

今回の動画では一花さんを基準にタイミング補正をしてみました。

合わせすぎない

タイミングだけでなくピッチもそうなのですが、補正をやりすぎてしまうと複数ボーカルらしさが無くなってしまいます。
ボーカルさんによって後ノリだったり前ノリ気味だったり多少の癖を残しておいてあげることで合唱の厚みが出しやすいです。

※Melodyne最上位版のStudioを使っています。
 全パートを1ウィンドウで同時に補正できてタイミング補正はかなり楽です

MIXプラグイン解説

ここでは各トラックのプラグイン順番と内容を解説します。
今回の曲ではこのようなプラグイン構成と順番になっておりますが、同じボーカルさんでも楽曲によって使うプラグインは変わってきます。

トラック分け

今回は各ボーカルさんでトラック分けの構成はほぼ変わらないので一度に解説します。
基本配置は(左)ゆきうさぎさん、(中)りんごあむさん、(右)一花さんです。

  • main
  • main2_C_HALL
  • main1_L(R)
  • main2_L(R)
  • ainote_L(R)12
  • ainote_L(R)40
main

メインソロパートです。
今回は原曲でソロパートはセンターから鳴っていたので、各ボーカルさんのソロトラックをセンターに配置しました。
音量は若干大きめです。

main2_C_HALL

Cセクション(静かになる部分)のソロパートです。
リバーブを強めに入れて綺麗な感じにしています。

main1_L(R)

2~3人で同時に歌う部分です。
基本配置通りに12程度ずらして配置しています。若干音量を落としています。

main2_L(R)

main1と同じ設定ですが、歌が被る部分があるのでトラックを分けています。
(録りの元音源も分かれていた部分です。)

ainote_L(R)12

合いの手(セリフ)部分です。
3人同時にセリフが入る部分のトラックです。音量は少し小さめにしています。

ainote_L(R)40

イントロ部分などの一人ずつセリフが入る部分です。
原曲に合わせて若干大きめに横にずらして配置しました。

ゆきうさぎさん

  1. ProEQ
  2. Waves MV2
  3. Waves CLA-76
  4. ProEQ
  5. Limiter
1.ProEQ


ローカットです。種類はStudio One付属のEQを使っています。
コンプレッサー前に入れることで不要な低音が持ち上がりすぎることを防ぎます。
女性ボーカルでは100hz付近から下はあまり必要のない帯域ですのでカットします。今回は87.3hzから24dB/Octでカットしました。

2.Waves MV2


Wavesの便利プラグインです。音量を均一にならしてくれる簡易コンプレッサーです。
コンプレッサーに入れる前に2.0程度かけておくと過剰なピークや小さすぎる部分を補ってくれてコンプレッサーの掛かりを滑らかにします。

3.Waves CLA-76


メインのコンプレッサーです。私は設定を詰めるというよりはガンガン差し替えてイメージに合うコンプレッサーを選択します。
今回はVC76→VC2A→VC160→CLA-76と差し替えて確定しました。
Wavesはアナログの色味が強いというか汚し系の癖が強めです。

普段はロック系などに使っていくコンプレッサーなのですが、今回はゆきうさぎさんの録り音と声質がクリアで綺麗だったのでWavesが合ったのかもしれません。

アタック、リリースなどはVocalプリセットをそのまま使い、Input、Outputはゲインリダクションが2dB程度で最も大きい部分でも5dB程度になるように調整します。

4.ProEQ


コンプレッサーで音の特徴と音量を調整した後、音質を調整します。

・ローカット(80Hz)
コンプレッサーで持ち上がった低域を再度カットします。

・554Hz +1.65dB Q1.90
声の太さを若干上げています。この付近のEQは声の温かみを含む部分です。
カットすることも多い部分ですが声質によってはブーストもします。

・4.38kHz +0.71dB Q1.00
声の抜けやきらびやかさ、空気感などを調整する部分です。
単純にここを上げるとぬけがよくなるので気になるときはブーストしてみてください。

5.Limiter


コンプレッサーで抑えきれていない一瞬のピークを抑えます。
Limiterに入ってくる音量はできるだけ控えて、アタックの一瞬上がってる部分などだけで動作するように前段のコンプレッサー設定は気を使っています。

Cealingは全体の音量を見ながら調整してOKです。今回のVocalトラックでは-12dB~-8dB付近の音量になっているので
-6dBとしました。これで一瞬のピーク以外で反応しません
Releaseパラメータは短めにします。ここが長いと余計な音に反応しやすくなってしまいます。

りんごあむさん

  1. ProEQ
  2. Waves MV2
  3. Waves Butch Vig Vocals
  4. ProEQ
  5. Waves DeEsser
  6. Limiter

あまり設定が変わらない部分は割愛します。

3.Waves Butch Vig Vocals


見た目はエグいですが中々ナチュラルなのもできる便利なやつです。
EQ、コンプ、サチュレーターなどが一つになっているヴォーカル用の簡単調整系プラグインです。

りんごあむさんの声質は高域のウィスパーっぽい部分を特に活かしたかったのでEQやコンプレッサーを差し替えていきましたが思うようにハマる音質にならず、試しにこれを挿してみたらハマりました。
若干コンプレッサーをかけて音量を平均し、高域を上げ目に(AIRパラメータ)しています。

プリセットが豊富にあって、かなりいい感じに調整してくれます。
特にこのプラグインは男性ヴォーカルの調整の難しい膨らんだ低域あたりが綺麗に混ぜやすい音になるので重宝しています。

4.ProEQ

・ローカット(115Hz)
少し上気味から12dB/Octでゆるやかにカットしました。ほぼ感覚ですがこのあたりの設定が良い気がしました。

・1.58kHz -1.41dB Q2.50
このあたりの帯域にマイク臭さというかこもりのようなものを感じたので少しカットしてみました。

・4.63kHz +1.41dB Q1.90
声をハッキリさせる成分がこのあたりに多い感じがしたのでブーストしました。

・6.58kHz -1.88dB Q4.60
前段のButch Vig Vocalsで上がりすぎてしまった余計な部分をカットしています。
AIRやプレゼンスを大きく上げるとシャリシャリした音質になることがあるのでEQで解決できそうな範囲でしたら削って調整します。

・ハイカット(16kHz)
前段のButch Vig Vocalsで上がってきたのでカットしました。通常のボーカル録り音だけではあまり含まれている帯域ではないですが、
コンプレッサーやEQで上がりすぎることもあるのでその場合はカットしていきます。

ちなみに、スタジオワン付属のProEQは再生中アナライザが見えるのですごく便利ですよ!

5.Waves DeEsser


ディエッサーは「シュ」や「スっ」などサ行発音の高音な息の音(歯擦音といいます)などをピンポイントで抑えるプラグインです。
使うかどうかはボーカルさん次第となり、あまりサ行が強くない方からとても強い発音の方まで多様なのでMIXしていくうえで耳にキンっとくるなーと感じた場合は使います。

りんごあむさんは少し高域を聞かせるための処理を多くしたので歯擦音が強めになりました。
ディエッサーをかけるときの注意点は、再生しながらパラメータ確認して歯擦音以外で反応しない程度に留めるのが良いです。

歯擦音は出てしまうと悪いわけではなく、あること自体は問題ありません。耳に痛くない程度に緩く抑えていくのがベストかなと思います。

一花さん

  1. ProEQ
  2. Waves MV2
  3. Waves Butch Vig Vocals
  4. ProEQ
  5. Waves DeEsser
  6. Limiter


質感をりんごあむさんと近づけようとしたところ同じプラグイン構成になりました。

コンプレッサーはNIのVC160も合うなぁと思ったんですが、りんごあむさんのトラックにButch Vig Vocalsを使用したので、同じく差し替えたところこちらでも問題なさそうだったので、Butch Vig Vocalsで確定しました。

NI VC160

ダイナミックな歌い方のボーカルさんに挿してみることが多いです。
一花さんは3人の中ではパワフルな印象を受けましたのでこのコンプレッサーも良く合っていました。

4.ProEQ

・ローカット(75.7Hz)
3人の中では特に中域~中低域にガッツのある声だったのでローは少し残し気味にしました。
75.7Hzから24dB/Octで少しザクっと削っています。

・440kHz -2.35dB Q1.90
若干膜のようなこもりが中低域にあり、コンプレッサー以降で強く出てきたのでカットしました。

・6.23kHz +2.35dB Q1.90
声のハスキーな部分と空気感を含む部分で抜けもよくなるためブーストしています。

FXチャンネル

ヴォーカル用プレートリバーブ、ヴォーカル用ディレイ、ヴォーカル用ホールリバーブの3トラックです。
解説していきます。

Waves Abbey Road Plates

Wavesの傑作リバーブだと思うプレートリバーブです!
私のボーカルMIXではプレートリバーブは90%これです。たまにSALEで$29とかになっているので買って損はありません!

今回は元気な楽曲だったのでリバーブの長さよりは短めの残響が高域中心にふわっとボーカルに厚みを与えるような設定にしてみました。

雰囲気を変える場合、プレートタイプのA~Dの選択が大事ですがバラード曲ではDAMPERパラメータを上げると強めにリバーブが掛かります。
プリセットは少し味気ないことがあるのでDAMPER、PREDELAY、TREBLEを中心にパラメータ調整して理想の厚みにしていきます。

Waves H-Dalay


ディレイです。元気な楽曲のディレイ設定はあまり大きくはしませんがVoを馴染ませるために使っています。

設定としては歌が左右に1回ずつ返ってくるくらいです。
ピンポンディレイ(左右繰り返して反響)でテンポ同期、1/8Tという設定です。

WastWest Quantum Leap SPACES


超簡単リバーブです。コンボリューションリバーブと呼ばれるタイプのリバーブで、マイクなどで録音したデータを使ってリバーブを掛けている仕組みになっています。

このリバーブは大量のプリセットがあって選ぶだけです。それだけでその場所で演奏したかのような音が得られます。

中にはガレージや森林など変なのもあります。使い道は謎ですw

設定はDRY SIGNAL(リバーブがかかる前のボーカルの音)を0にして、WET SIGNAL(リバーブの音)をMAXにします。
FXチャンネルで使用する場合はどのFXもこの設定にするのがおすすめです。

DRYを上げてしまうと、FXチャンネルでリバーブの音を強くしようとすると最大音量まで上がってしまいバランスが悪くなります。

ProEQ


FXチャンネルでエフェクトの後に掛けます。
リバーブやディレイの返しには超低域や超高域は不要でここを残しておくとマスタリング段階でLimiterに引っかかって音圧があがりにくかったり、Sideが妙にぶわっとした音が出てきたりします。

少し大きめにローハイをカットしてしまって大丈夫です。

2MIXオケ

  1. Waves NLSChannel
  2. IK multimedia T-Racks CS Bus Comp
  3. ProEQ
  4. Limiter

オケはほとんど触らなくて良いのですが、少し好みの色付けをしてみました。

1.Waves NLSChannel

アナログコンソールシミュレーターです。よくプロの現場とかででっかいミキサーがテレビに映ったりすると思うのですがアレの音をシミュレートするプラグインです。

3タイプから選ぶことができます。今回はSPIKEを選択しました。音がシャキっとするので元気な曲によく合うかなと思います。
この手のプラグインは音質変化は本当に僅かです。
私のプロジェクトではオケ、ボーカルバス、セリフバス、マスターにそれぞれ挿すことで認識できる程度の違いが出てきています。

わずかながら使うとイイ感じのやつという位置づけです。

2.IK multimedia T-Racks CS Bus Comp

コンプレッサーですが、主にいくつかのトラックをまとめて整えることを目的とするバスコンプという種類です。
バスコンプの設定はわずかにリダクションのメーターが動く程度にします。
アタック、リリースも短く設定し、音の出だしを整えていきます。

3.ProEQ

軽くローカットを入れています。
ポップスやアニソンなどの楽曲の場合、30Hz以下は不要な場合が多いです。
今回は20Hzからカットを入れました。

4.Limiter

マスタリング済み2mixなので不要とは思いましたが、念のため-0.5dBでリミッターを入れています。

BUSチャンネル

BUSチャンネルとは複数のトラックをまとめて処理するチャンネルです。
各トラックの処理を通ったあとにBUSトラックの処理を入れることができます。

正直な話、ボーカルMIXはここがキモです。単一トラックでのMIXだけだと表現できない秘密があります。
特にボーカルのトラック数が多くなってくるとBUSでの処理は必須になります。

試したことがない方はぜひBUSでの処理を使ってみてくださいね!

※参考
<BUS無しのVo音源>

<BUSありのVo音源>

  • MAIN
  • MESSAGE
MAIN
  1. Waves NLSChannel
  2. Waves Deesser
  3. Waves API-550A
  4. iZotope Ozone7 Dynamics
  5. Limiter

すべてのボーカルトラックをまとめています。
各トラックで音質の調整とボリュームを調整し、BUSチャンネルで全体の音質を調整しています。

1.Waves NLSChannel


オケの時と同じ用途ですが、ボーカルBUSではNEVOを選択しました。
このモードは若干重心が低域に寄りますが、MIKEモードよりはあっさりしている感じです。

DRIVEつまみを入れるほどアナログっぽい味付けが増えます。倍音が増えるらしいです。

2.Waves Deesser


ボーカル全体で聴いたときの特出した歯擦音を緩和しています。
あまり大きく引っかからないよう控えめのパラメータにしています。

3.Waves API-550A


アナログ機器をシミュレートしたEQです。BUSチャンネルでの音質調整に使いやすいです。

・300Hz +2
・5kHz +4
・10kHz +2
・Output -1.1

積極的にブーストしてボーカルを聴こえやすい音質にします。
かなりシャリシャリにできてしまうEQなので全体を聴きながら程よい所に設定します。

4.iZotope Ozone7 Dynamics

<低域側設定>

<高域側設定>

私のMIXの革命児です。この手法を発見してからVOミックスの自由度が一気に上がりました。

マルチバンドコンプに該当するプラグインです。低い音と高い音でそれぞれ分けていて、指定した入力より大きい場合は小さく圧縮しますし
小さい部分は大きくしてくれます。
コンプレッサーに音の高さを指定できるようなイメージです。

高域を少し大きめにしてあげることでVoの最終的な音量バランスと音の抜けを調整しています。

このプラグインのいい所は、合唱などで複数人が歌っているときは入力が大きくなるので圧縮して音が大きくなりすぎないように制御してくれるところです。

もちろん、ソロトラックと複数人トラックで音量は変えてできるだけ圧縮が掛からないようにしていますがこの処理を通ることでかなり綺麗に調整してくれます。
縁の下の力持ちみたいで必ず使っています。

また、各トラックで音量を上げようとするとすぐピークに引っかかってしまいますがBUSトラックで調整するとうるさいくらい上げてもピークに当たることはめったにないです。
(BUSでピークに当たるなら全体的に大きすぎなので各トラックから音量を下げるのが良いです。)

5.Limiter


BUSチャンネルのリミッターもMIXのコツの重要ポイントです。
必ず入れることをお勧めします!!

音量バランスの最終調整役であり、マスタリングのためのピーク調整でもあります。解説します。

MIXでは大事なことはどんなプラグインを挿すかではなく音量バランスとパン割り振りが一番重要です。
もちろん各トラックで音量バランスを作るのが大事なのですが、BUSチャンネルのリミッターでもパートごとの音量調整をします。
音を下げるというよりは一時的なピークを潰すイメージです。

これはパラMIX時ですが

・Drum -9.5dB
・BASS -11dB
・Gt -11dB
・Vo -9dB
・セリフ -11dB
・リード -12dB
・その他 -12dB

このような設定で入れています。設定値に当たりすぎてしまう場合は各トラックミックスに戻って調整します。
あくまでも一時的にはみ出る部分(キメでシンバルとキックとスネアが同時になる瞬間など)を狙って設定します。

今回の曲ではVo3人が同時に入る瞬間などに一瞬当たるような設定です。

ピークの一瞬を潰しておくことでマスタリング時に音圧が上げやすくなり調整がしやすくなります。
この処理をやっていないとスネアやキックなどでパチンといった高域がやたらマキシマイザーに引っかかる音になってしまったりとマスタリング段階で調整できないような部分が出てきてしまいます。

作った音質をキープするためにしっかりリミッターを使いこなすのがおすすめです!

マスターチャンネル(マスタリング)

MIXではないのですが、ここではマスタリング処理についても解説します。

  1. Waves NLSBUSS
  2. Waves KramerTape
  3. ProEQ
  4. T-RackS CS Bus Comp
  5. T-RackS CS MasterEQ 432
  6. iZotope Ozone7 Maximizer
  7. T-RackS CS Stealth Limiter
1.Waves NLSBUSS

BUSチャンネルで使ったNLSプラグインをさらに纏めあげるプラグインです。
タイプはSPIKEでシャッキリ元気な感じにしました。

2.Waves KramerTape

アナログテープの風味を加えるプラグイン、…らしいです。
Sooft Clean Compressionというプリセットが良くハマる感じがあったので入れてみました。
あまり音質の変化は大きくなく、低域高域にサチュレーション感(柔らかく丸まる感じ?)を加えてくれます。

3.ProEQ


なんとこの付属プラグイン、マスタリングでも全然使えます。

アニソン系列では30Hz以下の帯域はあまり必要とされませんのでバッサリ切ってしまいます。
48dB/Octでごっそり削りました。

不要な帯域はできるだけ削っておくことで音圧が上がりやすくなります。

4.T-RackS CS Bus Comp

2mixオケの処理でも使いましたが、全くの同用途です。
すべてのトラックをまとめ上げるマスタートラックでは非常に有効なプラグインです。

設定値はアタックリリース最速、スレッショルドはわずかにゲインリダクションが動くくらいです。
これだけでも楽曲のまとまりが非常によくなります。

楽曲のアタック感・ノリを一つのコンプレッサーを通すことで寄せて揃えるイメージです。

5.T-RackS CS MasterEQ 432

俗に言うM/S処理というものです。マスタリング用のEQプラグインです。
M/S処理は音圧を上げるためにやるという認識をされることがありますがそうとも言い切れません。

この処理はM(中心から出ている音)とS(左右から出ている音)に音質の違いを作って楽曲のバランスを整える処理をしています。

<M側設定>

<S側設定>

M側設定

今回はあまり大きくいじっていません。
オケがマスタリング済みのものである程度音質が出来上がっていたからです。

・60Hz +0.5
・4000Hz +0.5

M側の処理としては低域、中域を真ん中に集めていくイメージで補正していくと良いかと思います。
特に人間の耳に最も聴こえやすい4KHz付近をいじっていくとなかなかに楽曲の雰囲気が変わります。いろいろ試してみてください!

S側設定

S側の設定は高域を上げ気味に調整しています。
このM/S設定は楽曲がメリハリ良く元気な感じを出しますのでアニソン関連の曲によく合うと思います。

・HI Shelving +0.5
・8100Hz +1.0

6.iZotope Ozone7 Maximizer


音圧を上げるマキシマイザープラグインです。
今回は2つのマキシマイザーを使って音圧を上げています。

2段であげることで1つで上げるときより歪みにくく、つぶれにくく、綺麗に音圧が上がります。
1つでマキシマイザーの特性を強く出す手法もありますが私は2段をお勧めしています。

7.T-RackS CS Stealth Limiter


最終マキシマイザーです。
いろいろ設定があるように見えますが基本的にはただINPUTを上げるだけです。

マスタリングはこのプラグインで最終なのでディザーという設定を入れてあげます。
DITHERINGという項目です。書き出すのが最終的にCD音質なので16bitを選択します。

また、OUT CEILINGは最大出力音量ですがこれは-0dBだとMP3などにエンコードしたときにクリップが出てしまうことがあります。
その為、-0.3dB~-0.5dBを基準に書き出すようにします。

おわりに

以上で今回の楽曲のMIX処理解説を終わりたいと思います。

少々小難しいことが多いと感じたかもしれません。
ですが、MIXはやればやるほどプラグイン設定の音の違いが聞き取れるようになりますし上手くなっていきます。
私のMIX手順も何年も試行錯誤した結果にすぎません。

最初はわからなくてもどんどん使ったことの無いプラグインなども取り入れてチャレンジしていってください!

楽しんでMIXすることが一番大事ですよ!

それでは、長文となりましたが読んで頂いてありがとうございました!